CBDに関する情報に触れる機会が増えてきた今。
実際にCBDを使ってみたい!と思った時に、正しく効果的に使用するためにも、基本の使用方法と共に使用上の注意点について把握しておく必要があります。

この記事では、CBDの様々な使用方法や、摂取量やタイミング、そして使用上の注意点についてお伝えします。

この記事でわかること

・CBDの様々な使用方法、注意事項
・CBDの1日の摂取量や摂取タイミング、頻度
・使用前に知っておきたい注意点
・使用を注意すべき人

CBDの様々な使用方法~経口摂取からスキンケアまで

CBD製品のタイプも多様化する中で、その使い方について不安な点も多いはず。
そこで、CBD製品の正しい使用方法を中心にお伝えします。

舌下投与

CBDオイルを経口摂取する場合、もっともよく使われる方法が舌下投与です。
舌下投与のことを舌下塗布とも言い、舌の下の部分にスポイトでほんの数滴を垂らして、そのままの状態を数分間維持します。
舌下に投与してしばらく時間を置くことによって、口腔内の毛細血管に少しずつ浸透、到達します。

注意事項

CBDオイルの舌下投与を行った場合は、その直後の飲食は控えましょう。

皮膚塗布

CBDオイルを直接皮膚に塗ることも可能です。
クリームやリップ、リキッドなどがあり、それらを全身の皮膚に直接塗り、皮膚から成分を吸収させます。

カンナビノイドの皮膚吸収率は低く、少量を塗る程度では効果が得られにくいです。
CBDを局所的に摂取しても、皮膚内にとどまり、全身に到達する可能性は極めて低く、直接塗った部位のみある程度の効果が期待されます。

注意事項

製品によってはCBDが高濃度に配合されたものもありますので、肌質によっては皮膚に刺激が感じられる可能性があります。

肌が敏感な方や初めて使う方はCBDオイルのパッチテストを行い、濃度について問題がないか、塗った後の皮膚の反応を確認しておくと安心です。

もう少し濃度を薄めたい場合は、ココナッツオイルやオリーブオイルなどをブレンドして馴染ませておくと良いでしょう。

食事にプラス

CBDオイルを食事にプラスして使う方法もあります。

初めてCBDオイルを食用として使う場合、単独で使うよりは他のオイルやドレッシングと合わせて使うなど、おいしく食べられるように工夫すると良いでしょう。
オリーブオイルなどと同様に、CBDオイルをサラダのドレッシングとして使ったり、野菜ジュースやスムージー、ヨーグルトにCBDオイルを数滴入れる方法もあります。

注意事項

CBDアイソレート (結晶タイプ) を料理用に使用する場合は、ココナッツオイルなど油脂成分が含まれるものとブレンドしてよく混ぜ合わせてしっかりと馴染ませる必要があります。

スキンケア

CBDが配合された化粧品も多数販売されています。
また、CBDオイルを使ってスキンケアを行うこともできます。

CBDオイルやCBD配合の化粧品を顔に使う場合、肌に直接塗ることも可能です。
オイルをたくさんつける必要はなく、少量を手のひらで伸ばして体温で温めてから指の腹で顔の肌に薄く伸ばして使いましょう。

製品によっては、直接足裏に塗るタイプのものもあります。

足裏には約60もの反射区があり、「第二の心臓」とも呼ばれています。反射区とは、足裏や手のひらなど末梢神経が集中する部位のことを言い、ツボともよく似ていますが、ツボよりも反射区の方が広範囲です。

足裏をマッサージしながらCBDオイルを塗っておくと、反射区がほど良く刺激されて、リラックス効果が期待できます。

入浴

CBD配合の入浴剤も販売されていますが、CBDオイルを入浴剤として用いることも可能です。

市販のバスソルトや入浴剤にCBDオイルを少量ブレンドして湯船に入れるだけでOKです。
CBD特有のニオイが気になる場合は、香りの良い入浴剤やアロマ精油に少しプラスするのがおすすめです。

注意事項

敏感肌や乾燥肌、肌の弱い方は事前にパッチテストを行い、肌質に合うか確認しましょう。

1日の摂取量は体重ごとに違う!摂取タイミングや頻度も重要

CBDは美容・健康面で注目されていますが、1日の摂取量、摂取するタイミングなど、CBD製品を使う前に使用上の注意点を知り正しく守る必要があります。
医薬品等との併用や正しい保管方法についても詳しく知っておきましょう。

摂取量

CBDの摂取量は、製品のタイプ摂取する人の体質使用する目的などによって違いがあります。

1日あたりのCBDの摂取量の目安は、次のように主に体重によって区分されています。

体重1日あたりのCBD摂取量の目安
20kg~39kg9mg~15mg
40kg~68kg12mg~18mg
69kg~108kg18mg~27mg
109kg以上22.5mg~45mg

一方、低用量・中用量・高用量と3つの用量別から見た摂取量の目安は下記の通りです。

用量体重1kgあたりのCBD摂取量の目安
低用量0.2mg
中用量1.0mg
高用量1.5mg

CBDが美容と健康に良い効果が期待されるからといって、一度に大量摂取するのは控えましょう

CBDの経口生体利用効率

CBDの摂取方法は経口投与や皮膚に塗る方法などいろいろありますが、経口生体利用率は約15%と言われています。

生体利用効率

薬学用語のひとつで、体内に摂り込まれたCBD全体のうち、どの程度血液に到達・作用するのか、その生理活性をパーセント数値で示した指標のこと。

静脈注射など薬物が体内に摂り込まれた場合は、100%の生体利用効率となります。

しかし、CBDを摂取した場合は、摂取したすべての量が体内に100%吸収されるわけではありません
リキッドタイプのCBD製品を蒸気摂取した場合の生体利用効率は50~60%程度、CBDオイルの経口生体利用効率は約15%、蒸気摂取と比較すると約3分の1~4分の1程度にとどまります。

CBDを経口摂取する場合、消化管内を通過する際に消化吸収されてから血液に入り込み、肝臓を通過するため、生体利用効率は低下します。

摂取タイミング

CBDを効率よく摂取するには、摂取のタイミングが重要になってきます。
いつ摂取すれば良いのか、使用目的や摂取方法によっても違いがあります。

使用目的摂取タイミング
睡眠の質を高める就寝時間の約30分前
体の一部の痛みを緩和する痛みが強い時間帯の前

CBDを摂取した後に車を運転しても問題がないのかどうかも、気になるところです。

CBDはダイレクトな精神活性化作用はないため、CBD摂取後の運転は可能ですが、CBDの摂取量によっては精神活性化作用がゼロであるとは言い切れません。
THCとは精神活作用のメカニズムには違いがあるものの、CBDを高用量で摂取した場合は、脳神経など受容体になんらかの影響を及ぼすケースがあります。

頻度

CBDを摂取する頻度は、製品のタイプ・体質(体重など)・使用目的により格差が生じます。
CBD製品の説明書に使用頻度について記載がある場合は、正しく守るのが基本です。

CBDを使用する前に…知っておきたい使用上の注意点

医薬品との併用

CBDを医薬品と併用する場合は、それぞれ摂取するタイミングをずらすなど工夫が必要です。
医師の処方箋により医薬品を服用中の方は、CBDの摂取について医師に相談しておきましょう。
CBDに副作用や危険性はある?アレルギーや飲み合わせも解説

消費期限

CBDの消費期限は、製品パッケージに記されています。

製品の種類によっても消費期限に違いがありますが、ほとんどの製品で製造年月日から1年~2年以内です。
ただし、正しい方法で保管しておかないと、品質が著しく低下することもあるので要注意です。

保管方法

直射日光・熱・空気から遠ざける

CBDのもともとの特質として、空気・熱・光に反応すると分解が加速化します。
そのため、CBD製品を保管する際には直射日光・熱・空気から遠ざける必要があります。
ストーブ・ファンヒーターなどの暖房器具やエアコンの近く、車の中、陽射しの強い窓の近くにCBD製品を置かないように注意しましょう。

中身を他の容器に移さない

また、CBDが空気に反応すると化学変化が起こり、酸化を引き起こす原因となりますので、CBDの中身を他の容器に移さないように注意しましょう。

冷蔵庫に保管する

さらに、温度・湿度がある程度低い場所に保管するのが理想的なので、冷蔵庫の中に入れておくと品質が劣化しにくいです。
なお冷蔵庫に保管した後も、品質劣化を防ぐためにも消費期限内に使い切るのが鉄則です。

年齢制限

入浴剤やオイルなどのCBD製品については、とくに製品パッケージに年齢制限に関する注意事項は記載されていないものがほとんどです。
ただし、電子タバコのリキッドタイプのCBD製品の場合は、未成年者は対象外であるため要注意です。

飛行機・船への持ち込み制限

旅行や出張の際に飛行機を利用する場合、CBD製品の持ち込み制限も気になりますね。

国内線の場合は、CBD製品に関する持ち込みの規制はとくに設けられていません
ただし、CBDオイルなどの液体の場合、各航空会社の規定により容量に関する制限があります。

例えばJAL公式サイトによると、

液体物は100ml以下の容器に入れ、ジッパー付きの透明プラスチック袋に入れるように。

としています。

出典:JAL公式サイト「航空機内への液体物持ち込み制限について」

国際線の場合は、国ごとにCBDに関する規制に違いがありますので、海外旅行や出張の前に要確認です。
搭乗前の手荷物検査で引っ掛かることがないように細心の注意を払う必要があります。

使用を注意すべき人

美容・健康で注目されるCBDですが、一方で使用を注意すべき人、控えるべき人もいます。

機械操作・運転する人

機械の操作や車の運転を行う場合は、判断力を誤ることがないように万が一のことを考えて、CBDの使用を控えた方が無難です。

妊婦・妊活中・授乳中の女性

CBD製品を妊婦または妊活中・授乳中の女性が摂取する場合、注意が必要です。
妊婦のCBDの摂取については、詳しい研究結果がほとんど出ていないのが現状です。

ただし、日本の厚生労働省のような役割を担うFDA (アメリカ食品医療品局) では、下記の通り見解を示しています。

High doses of CBD in pregnant test animals have caused problems with the
reproductive system of developing male fetuses2 . In addition, based on what we already know about CBD, we expect that some amount of CBD will be transferred to babies through breast milk.
We also know that there is a potential for CBD products to be contaminated with substances that may pose a risk to the fetus or breastfed baby, including THC. We have also heard reports of CBD potentially containing other contaminants (e.g.,pesticides, heavy metals, bacteria, and fungus); we are investigating this.

(以下 翻訳サイトによる和訳文)
妊娠中の試験動物に高用量のCBDが含まれていると、雄の胎児の生殖系に問題が生じます。さらに、CBDについてすでに知っていることに基づいて、ある程度のCBDが母乳を介して赤ちゃんに移行すると予想されます。
また、CBD製品がTHCを含む胎児または母乳で育てられた赤ちゃんにリスクをもたらす可能性のある物質で汚染される可能性があることも知っています。
他の汚染物質(農薬、重金属、細菌、真菌など)を含む可能性のあるCBDの報告も聞いています。これを調査しています。

出典:FDA. アメリカ食品医薬品局 (Food and Drug Administration) 公式サイト

海外の大会に出場するスポーツ選手

中には「CBDを摂取することが原因で、ドーピング検査に引っ掛かるのではないか」と懸念するスポーツ選手もいるようです。

WADA (世界ドーピング防止機構) によると、2018年1月1日から「CBDをドーピング規制対象から外す」と決定しました。つまり、オリンピックなどスポーツの世界大会に出場する選手は、CBDの使用について規制を受けなくても済むこととなりました。

ただし、下記の通り一部注意書きがあります。

カンナビジオール(CBD)は禁止されない。しかし、大麻植物から抽出されたCBD製品によってはTHCを含む可能性がある。従って、CBD製品でも禁止物質が検出されて陽性結果となる可能性があることにアスリートは注意すべきである。

出典:公益財団法人 日本アンチ・ドーピング機構 世界アンチ・ドーピング規程 WADA 2020年禁止表国際基準

まとめ

いかがでしたか?
ここでは、CBDの様々な使用方法や、摂取量・タイミング、使用の際の注意点などをお伝えしました。
CBDは製品も使用方法も、多種多様です。
正しい使用方法、使用上の注意点をきちんと理解した上で、楽しむように心がけましょう。