海外ではすでにポピュラーなCBD製品ですが、日本国内ではまだまだ知名度・認知度が低いこともあり、副作用や健康被害、アレルギーなどについての心配もありますよね。

CBD製品は正しい方法で摂取していれば、副作用やアレルギーが起こるケースはほとんどありません。また、依存性・乱用の危険性もないことがWHO(世界保健機関)からも報告されています。
ですが、CBD製品を使用する前に、CBDの副作用や飲み合わせに関する情報や危険性を知っておくとさらに安心です。

この記事ではCBDの摂取による副作用やアレルギーの危険性、医薬品などとの飲み合わせ、依存性や乱用の危険性について解説します。

この記事でわかること

・CBDの副作用や健康被害と対処方法
・CBDによるアレルギーはほとんどない
・CBDに依存性・乱用の危険性がない理由
・CBDと医薬品、アルコールなどとの飲み合わせの注意点

CBDによる副作用はある?過去の健康被害と対処法を知っておこう

CBDを初めて使うときに、副作用や健康被害について気になる方も多いですよね。
適量を守り正しく使用すれば、CBDに副作用や健康被害はほとんどないということが分かっています。
ただ、体質などの個人差もありますので、対処法などを事前に知っておくと安心です。

吐き気

CBD製品を過剰に摂取したり、一日に何度も摂取したりすることで、吐き気が出てしまうことがあります。
とくに風邪や胃腸の調子に関係なく、CBDを摂取してから吐き気を感じた場合には、すみやかに使用を中止し、医師に相談しましょう。

吐き気の対処法

・空腹の状態でCBDを摂取しない

CBDは胃腸など消化器官系にダイレクトに働きかける性質があるので、空腹の状態でCBDを摂取すると、胃腸に刺激を与えてしまうこともあります。
食後に摂取するなどタイミングを調節するのがおすすめです。

口渇(口のかわき)

CBDを摂取することによって、口が渇く症状が出るケースがあります。
これはCBDの摂取後、一時的に口の中で作られる唾液の量が少なくなっている状態です。

口渇の対処法

・喉がかわく時は、こまめに水分をとる

口渇症状が出た場合は、水分をこまめに摂取することでセルフケアができます。
CBD製品の摂取後にはペットボトルを持ち歩くなど、柔軟な対応でしばらく様子を見てみると良いでしょう。

めまい

通常、CBDを少量摂取した程度でめまいの症状が出るケースはほとんどありません。
しかし、一度に大量摂取した場合には要注意。高濃度のCBDを摂取した場合や、リキッドタイプのCBDを吸った場合に一時的にめまいの症状が出る可能性があります。

めまいの対処法

・めまいが出たらその場に座る、横になるなどリラックスした体勢になる

万が一、CBDの摂取後にめまいの症状が出た場合は、椅子に座って深呼吸してリラックスするなど、落ち着かせる行動をとりましょう。

眠気

CBDにはTHCのような精神活性作用はないのですが、CBDを摂取することで眠気がでることがあります。
これは、CBDを摂取すると誰でも必ず眠気に誘われるというわけではありません。摂取量や摂取タイミング、体質など個人ごとに差があるようです。

眠気の対処法

・車の運転、機械操作の前はCBD摂取を避ける

車の運転や電車の乗車前にはCBDの摂取を控えるなど、摂取タイミングをずらすように工夫しましょう。

気分や食欲の変化

CBDが食欲を増進させる作用に関しては特に指摘されていません。
THCを摂取した場合には食欲や気分に影響を及ぼすと言われていますが、CBDについては食欲増進の作用はありません。

CBDを摂取したタイミングやその前後の食事の量などにより、食欲に変化が生じることはあっても、その直接的な原因がCBDである可能性は低いでしょう。

下痢

胃腸が丈夫でない人がCBD製品を摂取した場合、下痢の症状が出る可能性があります。
ただし、CBD自体に下痢を起こす原因があるというよりは、CBD製品に含まれるその他の成分が原因となっていることも多いです。

とくに、おなかが空いた時にCBDを摂取すると、体内での吸収スピードが速くなり、胃腸が刺激されて下痢になってしまう可能性も…。

下痢の対処法

・空腹時や食後すぐの摂取は避ける
・適量のCBDを使用する

下痢の症状を防ぐためにも、摂取タイミングを調節してみてください。

肝機能悪化

CBDには肝臓本来の解毒作用を阻害する働きがあり、大量に摂取すると肝機能に悪影響を及ぼす場合があります。
CBDの摂取で肝機能について不安な点があれば、主治医に相談するなど、早めに対策をとっておくと良いでしょう。

抗凝血作用

CBDに抗凝血作用があります。抗凝血作用とは、血液が固まらないようにする働きのことです。

動脈硬化・脳梗塞・心筋梗塞などの血栓症の治療薬のひとつとして、抗凝固薬が用いられるケースは少なくありません。
これらの治療薬を服用中の人がCBDを摂取した場合、出血するリスクが高くなってしまいます。
また、近いうちに手術を受ける予定がある場合は、医師に相談し、CBDの摂取は控えましょう

CBDの使用によるアレルギー反応はほとんどない

CBDが配合された製品にはオイル・サプリメントなど、食品類から日用品まで多彩なラインナップがありますが、アレルギー反応が出ることはないのか気になるところ…。

「アレルギー」とは

私たちの体にそなわっている免疫の働きが異常を起こし、くしゃみ、発疹、呼吸困難などの症状を起こしてしまう状態のこと。
金属に反応して発疹やかゆみの症状が出る「金属アレルギー」や、スギや植物の花粉で鼻水やくしゃみが出る「花粉症」もアレルギー反応の一種。

ここでは、CBDとアレルギーとの関係性について詳しく解説していきます。

CBD製品がアレルギーを起こす可能性は低い

CBDによってアレルギーが出る可能性は、ほとんどないと考えられています。

CBDの原材料は、植物の麻の種・茎から抽出された成分なので、人それぞれの体質によって、合う人もいれば合わない人も出てきます。
中には「毎年、花粉症になるんだけど、CBD製品を使うことでアレルギー反応が出るのでは?」と心配する人もいます。

しかし、CBDオイルなどCBD製品の原材料は麻の雌株から抽出されるのが一般的。
もともと花粉を作り出すのは雄株であるため、CBD製品を使うことでアレルギー反応が出るケースはごく稀であると考えられています。
ただし、CBDの原材料である麻に対してのアレルギーがある方は、前もって医師に使用の相談をしてくださいね。

アレルギーが気になる場合は少量から始めること

アレルギーが気になる方がCBDオイルなどの製品を摂取する場合は、アレルギー反応が出ないことを確認した後で、少しずつ量を増やしてみて適量の摂取を心掛けてください。
とくに、初めてCBDを使う場合には皮膚や体内の反応をみながら少量ずつ使うのが基本です。

また、粗悪なCBD製品の利用により、CBD以外の植物性物質が原因でアレルギーが引き起こされる場合もあります。
アレルギーを避けるためにも、CBD製品を選ぶときには、安全で信頼できる商品を購入するように注意してください。

万が一、CBDでアレルギー反応が出た場合の対処法は?

CBD製品を使用中に、万が一、アレルギー反応が出たり、皮膚や体調に異変が見られた場合は、すぐに使用を中止して医師や薬剤師へ相談することをおすすめします。

CBD製品の種類によっては、お客様相談室やお問合せ窓口を設置しているケースもあります。体質に合わない場合はすぐに使用を中断し、相談窓口に連絡するなど、適切な対策をとりましょう。

CBDのアレルギー緩和の可能性に期待

「CBDの摂取でアレルギー反応が出るのでは?」と心配される一方で、「CBDがアレルギーの緩和に良い効果をもたらす」という見解もあります。

残念ながら現時点では、アレルギー症状の緩和との関係について、有効性を証明できるという段階ではありません。
しかし、今後の研究でCBDのアレルギー緩和作用についての証明が期待されています。

CBDに依存性や中毒性はない

CBDは大麻と同じ麻から抽出される成分ですが、依存性や中毒性がないことが世界各国の研究や報告で証明されています

CBDの依存性について

WHO(世界保健機関)からは、“CBDの潜在的な身体依存効果(例えば、離脱症状や耐性)に関するコントロールされたヒト研究では、報告されていない。”とし、「CBDに依存性はない」という研究報告がなされています。

CBDは植物の麻から抽出されるものですが、麻から採れる成分はCBDの他に、THCがあります。よく混同されてしまうのですが、依存症を引き起こすのはCBDではなく、THCという別の成分です。
THCはいわゆる大麻成分で精神活性作用がある一方、CBDには精神活性作用はありません。
つまり、CBDには大麻(THC)のような依存性はないのです。

7.依存の可能性
…中略…
CBDの潜在的な身体依存効果(例えば、離脱症状や耐性)に関するコントロールされたヒト研究では、報告されていない。

出典:カンナビジオール(CBD)事前審査報告書/世界保健機関(WHO)薬物依存に関する専門委員会(ECDD) 第39回会議

乱用の可能性も少ない

もう一点、CBDの依存性と同時に気になるのが「乱用」ですが、同じWHOの研究報告や、動物実験とヒト臨床試験の結果による報告においても、CBDによる乱用の可能性はないと言及されています。

研究の数が制限されるのに対して、十分にコントロールされたヒトの実験的研究からのエビデンスはCBD が乱用可能性と関連しないことを示している。

出典:カンナビジオール(CBD)事前審査報告書/世界保健機関(WHO)薬物依存に関する専門委員会(ECDD) 第39回会議

CBDの潜在的な身体依存作用(例えば、離脱症状や耐性)に関する対照をおいたヒト研究では、報告されていない。

出典:カンナビジオール(CBD)批判的審査報告書/世界保健機関(WHO)依存性薬物専門家委員会(ECDD) 第40回会議

CBDの中毒性について

CBDの中毒性も懸念事項のひとつではありますが、結論から言えばとくに中毒性はありません

2011年に行われたCBDの安全性に関する研究によると、安全性の面では特に問題がないことが報告されました。
しかし、THCが含まるような粗悪なCBD製品を摂取していた場合は大変危険です。良質なCBD製品を購入して、適量を正しい方法で摂取するのが基本です。

CBDと医薬品、アルコールなどとの飲み合わせには注意が必要

CBDとの飲み合わせには注意が必要な場合があります。
ここでは、医薬品、アルコール、グレープフルーツとの飲み合わせを挙げてご説明します。

医薬品

CBD製品を摂取する上で、すでに医薬品を服用している人は注意が必要です。

CBDの安全性については、特に問題はなく、世界各国から日本国内まで健康面・美容面でのさまざまな効果に期待が寄せられています。

しかしその一方で、CBDには医薬品と相互的に作用しやすいという性質があります。
持病がある人や医薬品を服用中の人は、CBDを使用する前に必ずかかりつけの医師や薬剤師に相談してください。

アルコール

アルコールとCBDの飲み合わせは悪くはなく、適量を心掛けていればまず問題ありません。
日本国内でのCBDの認知度はまだ小さいですが、アメリカではすでにCBD入りのカクテルなどのアルコール飲料を楽しむ人も多くなっています。

ただし、お酒がおいしいからといって、一度に大量に摂取したり、毎日飲むのは健康上でもおすすめできません。アルコール度数の高いお酒を飲むのは避けること、お酒の量を適度にしておくことが肝心です。

グレープフルーツ

ビタミンCがたっぷり含まれていて美肌効果も期待できそうなグレープフルーツですが、CBDとの併用は避けましょう。

CBDには代謝酵素を阻害する作用があるのですが、実はグレープフルーツにも同様の働きがあり、どちらも体内に吸収される医薬品の成分を多くしてしまいます。
グレープフルーツやグレープフルーツジュースを好む人は、CBDとの併用には注意が必要であることを心に留めておきましょう。

まとめ

いかがでしたか?
ここでは、CBDを使用する前に知っておきたい副作用や依存性などについて詳しくお伝えしました。
CBDは健康・美容に良い効果が期待される反面、「依存性があるのではないか、中毒性が高いのではないか」という不安の声が寄せられているのも確か。
CBDについての正しい知識を知り、適切に使用するよう心がけましょう。